採用ブランディングとは?採用動画だけで終わらせない採用広報の作り方
採用動画を作ることになったものの、応募者に何を伝えるべきか分からない。動画の再生数は確認できても、採用ページや求人情報につながっていなければ、問い合わせや応募に役立っているか判断しにくいものです。
こうした場合は、動画の構成を考える前に、採用広報全体で何を伝えるかを整理します。採用ブランディングとは、採用したい人に対して、どのような仕事があり、どのような人が働き、どのような働き方ができるのかを一貫して伝える取り組みです。採用動画はその一部であり、動画だけで完結するものではありません。
この記事では、採用動画を採用広報の中でどう活用するか、制作前に決めておきたいこと、制作会社へ相談する際に整理しておきたい内容を説明します。
採用ブランディングで整えるのは、見た目やキャッチコピーだけではありません。仕事の特徴や働く環境を、現場の実態に沿って伝えることが前提です。動画、求人情報、面接での説明が食い違う場合は、媒体ごとの表現を増やす前に、社内で伝える内容をそろえます。

動画を作る前に、伝える仕事内容を決める
採用動画の企画をいきなり始めると、社内の雰囲気や社員インタビューを並べるだけの内容になりがちです。映像として見やすくても、仕事の内容や入社後の働き方が分からなければ、就職や転職を考える人にとって応募を判断する材料にはなりません。
最初に考えるべきなのは動画の構成ではなく、採用したい人に何を知ってほしいかです。入社後に担当する仕事、誰とどこで進めるか、難しさや面白さ、仕事の覚え方を確認します。
ここで整理した内容は、採用ページ、求人情報、会社説明会、SNS、採用動画に共通する軸になります。媒体ごとに表現は変えても、伝える事実や仕事の見せ方が大きく異ならないようにすることが大切です。
会社の魅力は、実際の仕事や経験で裏付ける
「社会に貢献している」「社員を大切にしている」という言葉だけでは、他社との違いを判断しにくくなります。採用で伝えるなら、自社の製品やサービスが誰の役に立ち、募集する職種がどのように関わるのかまで具体化します。
| 伝えたいこと | 確認する事実 | 動画で見せる場面の例 |
|---|---|---|
| 社会を支える仕事 | 製品やサービスの利用先と、社員が担う工程 | 製造・点検の仕事と、その成果が使われる場所 |
| 未経験から仕事を覚えられる | 入社直後の業務、教育の担当者と進め方 | 先輩の説明を受けて作業し、確認する場面 |
| 相談しやすい職場 | 社員が実際に相談した内容と、その後の対応 | 打ち合わせや作業中の確認、具体的な経験を話すインタビュー |
表は整理の例です。実際には行っていない教育や、特定の部署だけの働き方を、会社全体の特徴として紹介しないようにします。採用担当者の説明と現場の実感が違う場合は、その違いを確認してから企画します。給与や勤務環境への不満を、映像の印象だけで解消しようとしないことも大切です。

動画と採用ページで伝える内容を分ける
動画は、職場の音、社員同士の会話、作業の流れなどを見せるのに向いています。一方、募集条件や応募方法、仕事内容の詳細を確認してもらうには、文章や一覧の方が適しています。
動画では、作業の流れ、社員同士のやり取り、仕事の難しさややりがいを語る声を見せます。採用ページや求人情報では、募集職種、業務内容、勤務地・勤務時間・休日、選考の流れ、応募方法を確認できるようにします。
動画の中で全てを説明しようとすると、情報量が多くなり、見ている人が必要な情報を見つけにくくなります。動画で仕事の場面や人の声を伝え、詳しい条件は文章で確認できるようにすると、視聴後の行動につなげやすくなります。

制作事例|事業の役割と、働く人をつなげて伝える
専門的な事業を紹介する場合は、製品名や理念の説明だけでなく、製品が使われる場所と、そこに関わる仕事を見せる方法があります。会社の役割と社員の業務をつなぐことで、応募者が「自分は何を担うのか」を考える材料になります。
レンズが企画・構成・撮影・編集を担当した株式会社ホクエツ信越様の会社案内動画では、会社の歴史、事業、製品、社会での活用、働く人という流れで構成しています。製造工程や施工現場、各職種の社員の姿を通して、コンクリート製品が社会基盤を支える役割を紹介しています。
会社案内の事例ですが、事業と仕事のつながりを伝える構成は、採用広報を考える際にも参考になります。採用数や定着率の改善を示す事例ではなく、伝える内容と見せ方の例としてご覧ください。
採用動画を企画するまでの進め方
採用したい人と、見せる仕事の場面を具体化する
年齢や経験だけでなく、その仕事に必要な姿勢や、どのような働き方を望む人に来てほしいかを整理します。
たとえば営業職では、顧客との会話が多い仕事を希望する人なのか、既存顧客と長く関係を築く仕事を希望する人なのかで、見せるべき場面が変わります。製造職であれば、設備を扱う場面、品質を確認する場面、チームで作業を引き継ぐ場面のうち、何を見せるかを決める必要があります。
「風通しがよい」「やりがいがある」といった言葉だけでは、働く姿を想像しにくいものです。抽象的な表現を、実際に見える場面へ置き換えます。
たとえば、朝の打ち合わせ、先輩が新人に作業を教える場面、営業担当者が顧客の要望を社内で共有する場面などです。実際に行っている仕事から、募集職種の特徴が分かる場面を選びます。
このような場面を整理しておくと、撮影する場所や出演を依頼する社員を選びやすくなります。また、動画を見る人にも、仕事内容だけでなく、誰と関わり、どのように仕事を覚えるのかが伝わります。
動画を使う場所と、視聴後にしてほしいことを決める
同じ動画でも、掲載する場所によって必要な長さや導入部分は変わります。採用ページに掲載する場合は、求人情報を見た人が仕事内容を深く知るための内容が向いています。会社説明会で使う場合は、担当者の説明と組み合わせ、短時間で会社や仕事の全体像を伝える構成が使いやすいでしょう。
SNSで発信する場合は、一本の長い動画をそのまま掲載するのではなく、仕事の場面や社員の一言などを目的に応じて切り出せるか、あらかじめ考えておきます。撮影前に使う場所を決めておくと、必要な映像や音声を取りこぼしにくくなります。
また、動画を見た人に次に何をしてほしいかも決めておきます。採用ページで仕事内容を確認してほしいのか、会社説明会への参加を検討してほしいのか、応募条件を確認してほしいのかによって、動画の最後に表示する情報や案内先が変わります。
出演者と撮影できる範囲を確認する
経営者、現場責任者、入社数年の社員、新入社員では、話せる内容が異なります。会社の方針を伝える人と日々の仕事を伝える人を分けると、説明が一人に偏りません。
社員に出演を依頼する際は、台本どおりの回答だけを求めるのではなく、具体的な経験を話してもらいます。「どの仕事が大変か」「最初に何を覚えたか」「誰からどのように教わったか」といった質問を用意すると、仕事内容が伝わる言葉になりやすくなります。
あわせて、撮影できない場所や情報も事前に確認します。顧客情報、製品情報、個人情報、立ち入りが制限された場所などは、映り込まないようにする必要があります。現場を撮影できない場合は、説明できる範囲の作業、手元、設備、資料、社員インタビューなどで仕事内容を補います。撮影当日に判断すると構成を変更しにくいため、企画段階で確認しておきましょう。
公開後に確認することを決める
公開前に、今回の発信で何を確認したいかを決めます。仕事内容が伝わっていないなら説明会や面接で理解した業務を聞く、求人情報へ進んでもらいたいなら職種ページへの移動を確認するなど、目的に合う方法を選びます。
応募数には募集条件や求人を届ける方法も関係します。動画公開後の増減だけで成果を断定せず、採用担当者が受けた質問や、入社前後で認識が違った点も記録します。計測の考え方は、採用動画の効果と確認方法で詳しく解説しています。

制作会社へ相談する前に整理したいこと
社内で先に整理しておきたいのは、採用したい職種、伝えたい仕事内容、撮影できる場所、出演を依頼できる社員、動画を使う場所です。これらが曖昧なままでは、制作会社へ相談しても、企画の方向性を決めるための確認に時間がかかります。
一方で、構成の組み立て、撮影方法、音声や照明、インタビューの進め方、編集、媒体に合わせたデータの準備は、制作会社へ相談できる部分です。社内で内容を決め切ってから依頼する必要はありませんが、採用上の課題と見せたい仕事の場面は伝えられるようにしておくと、提案を受けやすくなります。
相談時には、採用したい職種と人数、知ってほしい仕事内容、現在の採用ページや求人情報、掲載先、撮影できる時期と場所、出演候補、公開後に確認したいことを共有します。希望する公開時期と予算感も、分かる範囲で添えてください。
制作会社から提案を受ける際は、映像の雰囲気だけでなく、誰に何を伝える企画か、どこで使う前提か、どのような場面を撮影するのかを確認します。採用したい人が仕事内容を判断できる内容になっているかを見比べることが大切です。
複数の職種や媒体で使う場合は、最初に必要な本編と、追加する職種別・短尺版を分けて検討します。同じ素材を使えても、再構成や字幕、画面の向きの調整には作業が必要です。採用担当者による社員調整や社内確認の時間も、制作日程に含めておきます。
具体的な発注を検討する段階では、採用動画の費用・制作事例・依頼前の準備をご確認ください。採用ページの改修や広告配信も必要なら、映像制作と別に担当範囲・費用を整理します。

まとめ
採用ブランディングとは、採用したい人へ仕事内容や働き方を一貫して伝える取り組みであり、採用動画はその一部です。
動画を作るか迷ったときは、職場の動き、人の声、作業の流れなど、映像で伝えるべき情報があるかを確認します。募集条件や応募方法を詳しく伝えることが目的であれば、採用ページや求人情報を先に整える方が適しています。
動画を制作する場合は、入社後の仕事を判断できる具体的な場面を整理し、使う場所と視聴後にしてほしい行動を決めてから企画を進めましょう。そうすることで、採用広報全体の中で動画を活用しやすくなります。
採用課題と、動画で伝える内容から相談する
合同会社レンズは新潟市を拠点に、企業案内・採用動画の企画から撮影・編集まで対応しています。対応サービスと制作の進め方もご覧いただけます。
「会社の魅力を言葉にできない」「採用ページと説明会で伝える内容がそろっていない」「仕事内容を映像で見せたい」。現在の課題からご相談ください。募集する職種と応募者に知ってほしいことを伺い、動画にする内容、撮影する人と場面、採用サイトや説明会での使い方を整理します。
お問い合わせには、募集職種、採用で困っていること、現在の採用ページ、動画を使いたい場所、希望時期・予算を分かる範囲でお書きください。構成や出演者が決まっていない段階でも構いません。
新潟を拠点に、企業の成長に直結する映像戦略を手がけるクリエイティブディレクター。企画・構成・演出まで一貫して担うスタイルを強みに、採用・販促・ブランディング領域で成果につながるコンテンツを数多く制作してきた。