シネスコ(シネマスコープ)とは?16:9との違いと使われる場面
シネスコ(シネマスコープ)とは、一般的な16:9よりも横に長い画面比率で映像を見せる形式です。現在は、主に2.35:1や2.39:1前後の横長画面を指して使われ、広い風景や複数人が並ぶ場面を、映画のようにゆったりと見せたいときに用いられます。
ただし、本来のCinemaScopeは、横方向に圧縮して撮影した映像を、上映時に専用レンズで横へ戻すアナモルフィック方式の商品名でした。現在の映像制作では、同じ方式で撮影しているかどうかにかかわらず、2.35:1や2.39:1程度の横長画面を「シネスコ」と呼ぶことがあります。

一般的な16:9との違い
16:9は、横16に対して縦9の比率です。HDTVの画面比率として定められており、テレビやWeb動画で見慣れた形です。これに対し、2.35:1や2.39:1のシネスコは、同じ高さで比べると横方向により広くなります。
そのため、16:9では人物の上半身や建物の高さも含めて見せやすいのに対し、シネスコでは左右に広がる景色、人と人の距離、空間の横方向のつながりが目に入りやすくなります。画面内に入る縦方向の範囲は相対的に狭くなるため、同じ場所を撮っても見える印象は変わります。
16:9の画面でシネスコ映像を横幅いっぱいに表示する場合は、映像の上下に黒い帯が見えることがあります。これは、横長の映像を切らずに16:9の表示枠へ収めたときの見え方です。デジタルシネマの規格でも、画面比率が異なる映像を表示枠に合わせる際は、上下または左右に余白を加える方法が示されています。

シネスコで見えやすくなる場面
シネスコは、横に広がる情報そのものが映像の内容に関わる場面で使われます。たとえば、会社紹介動画や採用動画では、次のような場面で横長の画面が生きます。
- 建物と周辺の風景を一緒に見せる場面:社屋の外観だけでなく、その前の道路、周囲の田畑や街並み、遠景までを一つの画面に入れやすくなります。会社がどのような場所で仕事をしているのかを、空間の広がりとともに伝えられます。
- 工場や作業現場を横に見渡す場面:作業する人、並んだ設備、製品が流れるラインを同時に捉えることで、現場の規模や作業のつながりが分かりやすくなります。一人だけを映す映像とは違い、仕事がチームや工程の中で進んでいる様子を見せられます。
- 複数人が会話・打ち合わせをする場面:向かい合う二人や、横並びで話す数人を無理なく同じ画面へ入れられます。表情だけでなく、誰がどこにいて、どのように関わっているかも伝わります。
- 移動や広がりを見せる場面:車両が走る道路、倉庫内を移動するフォークリフト、横に長い製造設備などは、画面の左右を使うことで動きの方向や距離感を見せやすくなります。
シネスコは、画面を横長にするだけで映画らしく見せるものではありません。横に広がる場所や人の配置を映像の内容として見せるときに、その画面比率らしい見え方が生まれます。
一方、16:9は人物のインタビュー、説明を中心にした映像、テレビやWebで一般的に見られる画面に合わせた映像などで使われる比率です。シネスコと16:9は優劣ではなく、同じ題材をどこまで横に広げて見せるかによって、受ける印象が変わります。
以下から、シネスコ用の素材を保存できます。気になる方は保存してみて下さい。
新潟を拠点に、企業の成長に直結する映像戦略を手がけるクリエイティブディレクター。企画・構成・演出まで一貫して担うスタイルを強みに、採用・販促・ブランディング領域で成果につながるコンテンツを数多く制作してきた。